【入門】Amazon DSPとは?EC新人が知るべき広告の仕組みとスポンサー広告との決定的差異
Amazonでの売上を最大化させるために、避けて通れないのが広告運用です。しかし、多くのEC担当者が「スポンサー広告」の運用に留まっており、その先にあるAmazon DSP(Demand-Side Platform)の真価を十分に活用できていません。本記事では、Amazon DSPの基礎から、スポンサー広告との決定的な違い、そしてフルファネル戦略における役割までを、シニアコンサルタントの視点で分かりやすく解説します。
1. Amazon DSPの基本定義と仕組み
Amazon DSPとは、Amazonが保有する膨大なファーストパーティデータ(1st Party Data)を活用し、Amazonサイト内だけでなく、外部のウェブサイトやアプリに対してもディスプレイ広告や動画広告をプログラム配信できるプラットフォームです。
最大の特徴は、単なる「枠」の購入ではなく、「人(オーディエンス)」を軸にしたターゲティングが可能である点にあります。例えば、「過去30日間に特定カテゴリーの商品を閲覧したが購入していないユーザー」といった、具体的な購買行動(シグナル)に基づいたアプローチが可能です。
2. スポンサー広告との3つの決定的差異
新人がまず理解すべきは、検索連動型のスポンサー広告(SP/SB/SD)との違いです。以下の3つの軸で整理(MECE)できます。
- 課金形態: スポンサー広告がクリック課金(CPC)なのに対し、DSPはインプレッション課金(CPM)が基本です。
- 配信面: スポンサー広告は主にAmazon内ですが、DSPはAmazonが提携する数千の外部サイト・アプリ(Amazon Publisher Directなど)へも配信可能です。
- 目的: スポンサー広告が「獲得(ボトムファネル)」に特化しているのに対し、DSPは「認知・検討(アッパー〜ミドルファネル)」を含むフルファネルをカバーします。
3. 広告指標の推移とCPMモデルの理解
DSP運用では、ROAS(広告費用対効果)だけでなく、インプレッションの質やブランドリフトを重視します。以下のグラフは、一般的なDSP導入後の認知拡大に伴うブランド検索数の推移イメージです。
4. AMCを活用した高度な分析
Amazon DSPの真価を発揮させるのが、AMC(Amazon Marketing Cloud)の活用です。AMCを利用することで、スポンサー広告とDSP広告の「重複接触」によるコンバージョン寄与度を可視化できます。これにより、単体では評価しにくい認知施策の真の投資対効果(アトリビューション)を算出することが可能になります。
よくある質問
- Q. Amazon DSPを始めるには最低予算が必要ですか?
- A. Amazonと直接契約する「マネージドサービス」では一定の最低予算が設定されていますが、認定代理店を通じた「セルフサービス」であれば、より柔軟な予算設定で開始可能です。
- Q. 出品者(セラー)でなくても利用できますか?
- A. はい。Amazon DSPは非出品者(ノンエンデミック)でも、保険や自動車、旅行サービスなどの自社サイトへの誘導目的で利用できるのが大きな特徴です。
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Amazon DSPは、Amazonの強力なデータを活用して「新規顧客への認知」から「既存顧客の再訪」までを統合的に管理できる強力なツールです。スポンサー広告との役割分担を明確にし、CPMモデルの特性を理解することで、単なる刈り取りに留まらない持続的なブランド成長を実現できます。まずはAMC等を用いた現状の顧客接点分析から始めてみてはいかがでしょうか。
公開日: 2026年2月10日 / 著者: 伊藤祐太
参考文献
- [1] Amazon Advertising - DSP Overviews
- [2] Amazon Marketing Cloud (AMC) Technical Documentation

