【梱包資材の「見直し」だけで利益が変わる?モール運営者が知っておくべき資材選定のポイント】
ECモール運営において、売上アップと同じくらい重要なのが「コストの最適化」です。その中でも、毎日発生する「梱包資材」の費用は見落とされがちですが、実は利益率を劇的に改善する大きなポテンシャルを秘めています。たかが梱包材、されど梱包材。サイズを1センチ縮める、素材を1枚変えるといった「見直し」が、年間で数十万、数百万単位の利益差を生むことも珍しくありません。本記事では、ブランド価値を維持しながらコストを削る、戦略的な資材選定のポイントを解説します。
目次 (クリックで開閉)
1. 梱包サイズ削減がもたらす「運賃」のインパクト
梱包資材を見直す最大のメリットは、資材単価の削減よりもむしろ「配送運賃の適正化」にあります。多くの配送キャリアはサイズ(縦・横・高さの合計)によって料金を設定しているため、わずかなサイズオーバーが利益を圧迫します。
例えば、60サイズで送れるものを80サイズで送り続けている場合、1件あたり100円〜200円の損失が発生します。月間1,000件の出荷があれば、年間で120万円以上の利益が失われている計算になります。商品の形状に合わせた「専用箱」の作成は、初期費用はかかりますが、長期的なトータルコストで見れば圧倒的に有利です。
2. 資材コストとブランド体験のバランス
コスト削減を優先するあまり、「届いた時のガッカリ感」を与えてはいけません。ペラペラの袋や、商品に対して大きすぎる緩衝材は、ブランドの信頼性を損なう原因となります。
賢い選定のコツは、外装(ダンボールなど)はシンプルにしてコストを抑えつつ、開封した瞬間に目に飛び込む「内装」や「サンクスカード」にこだわることです。これにより、トータルの資材コストを下げながら、顧客満足度(LTV)を高めることが可能になります。
3. 環境配慮型資材(サステナブル)の導入メリット
2026年のEC市場において、環境への配慮は「あれば良いもの」から「必須の条件」へと変化しています。プラスチック製の緩衝材を紙製に変える、バイオマス素材の袋を採用するといった取り組みは、モール内での「優良店」としての評価にも繋がります。
特に大手モールでは、環境負荷の低い配送オプションを選択するユーザーが増えており、サステナブルな梱包は新規顧客獲得の強力な武器になります。
4. データで見る梱包資材の見直し効果
以下のグラフは、あるECショップが梱包サイズを1ランク下げ、資材をバルク購入に切り替えた際の、1注文あたりの利益推移(シミュレーション)です。固定費としての資材費を変動費として捉え直すことで、営業利益率が5%改善した事例もあります。
よくある質問
- Q. オリジナルデザインの箱は、少量でも作れますか?
- A. 最近では小ロット(50〜100個単位)から発注可能なオンデマンド印刷サービスが増えています。まずは主要な売れ筋商品に合わせて1サイズからテスト導入することをお勧めします。
- Q. 緩衝材を減らすと破損が心配ですが、どう対策すべきですか?
- A. 量を減らすのではなく、素材を変えるのがポイントです。例えば、隙間を埋めるだけの「バラ緩衝材」から、商品を固定する「フィルム緩衝材」に変えることで、使用量を減らしつつ保護機能を高めることができます。
貴社のEC事業を次のステージへ
コスト最適化からLTV向上まで、モール運営のプロが戦略をご提案します。
無料で戦略を相談するまとめ
梱包資材の見直しは、単なるコストカットではなく、配送効率の向上、ブランドイメージの強化、そして環境負荷の低減を同時に実現できる「投資」です。まずは自社の主要商品の配送サイズと、現在の資材単価を棚卸しすることから始めてみてください。小さな変更が、将来の大きな利益となって返ってくるはずです。
公開日: 2026年1月15日 / 著者: Osamu Yasuda
参考文献
- [1] 日本物流学会:EC物流における梱包サイズと運賃相関に関する調査
- [2] 経済産業省:持続可能な物流の実現に向けた検討会 報告書

